有名な都立の学校の教師になりたくて単身、都内へと移り住み、周辺の学校で下積みをして数年。待ちに待った転勤の知らせに思わず期待が高まった。――が、その辞令を見て愕然とする。場所はとある辺鄙な寒い北の方。一言で言えばドがつくほどの田舎である。とはいえ上からの命令、渋々と言った面持ちで新しい職場へと足を運ぶ。校舎もボロく、生徒も指折りしかおらず、挙句の果てには一部学年が合同で授業が行われている状態。落胆の色を隠せないまま初日の挨拶。数人の生徒の前で自己紹介をすると思いがけないほどの人の温かさが返ってくる。都会のピリピリとした教室の空気と違い、しばらく忘れていた家族のような温かさに、主人公の気持ちは次第に揺れ動いていく。